僕が治験で出会った薬は、今は「デュピクセント」という名前で製品化されている。

 

大人の難治性アトピーの重症患者(半年以上ステロイド治療などで改善しない場合)には、保険適用で使用できるようになっている。

 

注意しなければいけないのは、その値段だ。

 

注射1本、約8万円。

保険適用で3割負担の場合でも、1本2.5万円ほどかかる。

 

標準的な治療方法では、初回に2本、以降2週間おきに1本使うこととされているので、初月は3本で7.5万円、以降は月2本で5万円かかることになる。

 

なお、僕の場合は会社の健康保険組合で高額療養費を補助しており、月に5万円を超える部分を還付する扱いがあったので、

・初回は1日にお願いし、1ヶ月で3回の処置が入るようにした

・症状が落ち着いてからは1ヶ月で一本の割合に減らした

という工夫をして、家計へのダメージを抑えている。

この辺りは医師に相談すると柔軟に聞いてくれたので、使う人は相談すると良いだろう。

 

さて、先に注意事項を書いた後に、その威力を説明しよう。

 

デュピクセントの薬名は「デュピルマブ」という。

 

最近のお高い薬の特徴に、薬名が「○○マブ」となっているものがある。

抗がん剤オブジーボ(薬名ニボルマブ)などがそれで、これは抗体医薬品、つまり特定の免疫作用に働きかける薬につけられている。

どうやらアトピー性皮膚炎の痒みのサイクルに働く免疫機能の仕組みが特定されたらしく、デュピクセントはその仕組みを狙いうちで抑制してくれるようなのだ。

 

いやはやまったく、ゲノム治療万歳、バイオ治療万歳だ。

 

僕のケースでは、デュピクセントを投与した翌日から痒みがさっぱりなくなった。

正確には、「アトピー由来の痒みがない」というべきか。

くすぐられたら痒い、傷口や乾燥肌をかきたくなるというものはあるのだけれど、

アトピー的な痒みである、

・服が触れているだけで痒い

・ゴワゴワした肌が痒い

・熱を持っていると痒い

・湿っていても乾いていても痒い

・風が吹いても痒い

・何が何でも痒い

という痒さがなくなる。

 

痒くなくなるので、これまでできたすり傷、ひっかき傷は、自然に直っていくことになる。

デュピクセントは傷を早く治す効果はないので傷の再生には時間がかかるのだけど、

なにせ痒みがなくなるのだから、新しい傷はできなくなる。

あとは傷がなくなり、赤みが消え、黒いシミになり、シミが薄くなるのを待てば良い。

 

なお、デュピクセントは特効薬ではない。

投与をやめると、じきに効果がなくなり、痒みが戻ってきてしまう。

 

でも、アトピーは傷が悪いほど痒いという悪循環があるので、その悪循環をすっぱり断てるのはとても強みだ。

傷が治ってからは薬の量を減らし、悪化したらまた射つのでも良いと僕は思っている。

 

僕は医者ではないし、アトピーの病状はあまりにも多様だ。

僕が救われたように他の人が救われるとは限らないのが、もどかしくもある。

 

それでも僕は僕が味わった「身体が痒くない人の体験」を他のアトピーで悩んでいる人にも味わってほしいので、ぜひオススメしたいと思う。

 

 

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